お知らせ

垂直破折歯の接着治療法

日曜日は、歯が折れてしまった時の治療法のセミナーを受講してきました。

歯の根が割れてしまうことを「歯根破折」といいます。
今までは、歯を失う原因のほとんどは虫歯と歯周病でしたが、
最近では、歯根破折が原因でやむなく歯を抜かなければならないというケースが増えてきました。

歯根破折の症状としては

しっかりと治療をしたはずの歯が急に痛みだしたり、
歯茎が腫れる場合には、
歯根破折を疑う必要があります。
歯根破折は、軽度の虫歯治療の場合にみられることはあまりなく、
「さし歯」などの治療を行った歯に多くみられます。
また、治療後数年という長い年月が経ってから起きるトラブルです。

歯根破折の原因は

1)
やむをえず神経(歯髄)を取ってしまうと、
歯は栄養を失って死んでしまいます。
このような歯を失活歯と言います。
例えば、失活歯は枯れ木のような状態で、
生きている木(健康な歯)に比べると割れやすくなります。
tree_character tree_dead
2)
さし歯は、歯髄を取り、根の治療が終わって後、
根の中に心棒を入れ土台を作ります。
その上に被せ物(歯冠)を取り付けます。
しかし、金属の心棒が使われると、
噛んだ力が硬い金属から柔らかい歯(象牙質)に均等に分散しないため、
特定の部位に応力が集中してしまう為。
歯(象牙質)にひびがはいってしまい、歯根破折になります。
0167065002 0167065005 0167065006

ヒビ

通常、歯が折れてしまった場合の治療方法としては
歯を抜いて、取り外しの入れ歯・接着するブリッジ・インプラントがあります。
しかし、歯が折れてしまっても、歯を抜かずに残すことができます。
(破折の程度により、修復できないこともあります。)

0167055011 0167058001

歯根破折を防ぐ方法

金属の心棒を使わないことが最大のポイントです。
最近では金属の心棒に替わる材料としてグラスファイバー製の心棒があります。
グラスファファイバー製の心棒は金属の心棒と同等の強度を持ち、
象牙質と近似した弾性のため
歯質へのダメージを軽減することができ、歯根破折を防ぐことが出来ます。
ファイバーポスト セラミッククラウン

歯の根の周りには、歯根膜という軟組織が付いています。
この歯根膜が健全に残っていれば、歯を抜かずに保存し、
被せることにより、歯を使用する事ができます。

この治療はとても繊細なテクニックが必要で
治療には、マイクロスコープでの拡大治療が必要です。

出来るだけ、歯を抜かずに自分の歯を残す努力をしましょう
一本歯を抜いてしまうだけで、
噛み合わせにバランスが崩れてしまい
口のなか全体の崩壊が一歩進んでしまうかもしれません。

投稿日:2015年11月2日  カテゴリー:マイクロスコープ, 再植, 歯根膜, 移植