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歯周病が全身に及ぼす悪影響の新たなメカニズムの解明!

歯周病は、口腔内に棲息する歯周病原細菌と呼ばれる細菌群による感染を原因とし、歯を支持する歯周組織に慢性炎症を引き起こす。治療せずに放置すると多数の歯を失うことになり、QOLを大きく損なうことになる。
歯周病は、心筋梗塞、狭心症などの原因になる、動脈硬化症、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患、関節リウマチ、ある種のガンなど、実に様々な疾患のリスクを高めます。

その関連メカニズムとして歯周病の病変部から侵入した細菌や、慢性炎症部位の炎症物質が全身循環を経由して血管、脂肪組織、肝臓などに炎症を起こすことが明らかになりました。

新潟大学の研究グループは、腸内細菌と全く異なる病的口腔細菌が腸内細菌のバランスを崩し、その結果、腸の浸透性が亢進し、そこから入った内毒素が血流を介して様々な臓器・組織に軽微な炎症を持続させることが歯周病と全身疾患を結びつける有力なメカニズムとして示されました。

腸管の透過性が高まり、その結果生じる内毒素血症により全身の炎症状態が亢進して、メタボリックシンドロームの根幹にあるインスリン抵抗性を誘導することが示された。

口腔内を清潔に保つことが全身の健康を保つ大きな要因であることが科学的に実証されました。

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Oral pathobiont induces systemic inflammation and metabolic changes associated with alteration of gut microbiota
Kei Arimatsu, Hitomi Yamada, Haruna Miyazawa, Takayoshi Minagawa, Mayuka Nakajima, Mark I. Ryder, Kazuyoshi Gotoh, Daisuke Motooka, Shota Nakamura, Tetsuya Iida & Kazuhisa Yamazaki

 

投稿日:2015年9月26日  カテゴリー:歯周内科, 歯周病