お知らせ

糖尿病の予防には、歯周病の治療が重要!

糖尿病って、とても治りにくい病気ですね。

しかし、歯の治療をする事により

糖尿病が改善する事があります。

糖質の多い食事をたくさん食べると

血糖値は急激に上昇します。

糖尿病 血糖値上昇

健康な人の、空腹時血糖は100mg/dlです。

126mg/dl以上は糖尿病型です。

食事による血糖値の変動

糖尿病の人は、血糖値が高く、

特に糖質の高い食事は、食後血糖値の上昇が起こります。

歯石を取ったり、歯周病の治療をする事により、

血糖値が下がる事が多いです。

血糖値は、食事の影響を受けやすいため

通常、糖尿病の検査では

HbA1Cという検査を行います。

これは、過去2~3ヶ月の血糖値の状態を表します。

歯周病の治療により、HbA1Cも改善が予想されます。

また、CRPという炎症の程度を調べる値も、改善が予想されます。

では、糖尿病とは、

食事をすると、血中のブドウ糖が増えます。

それにより、膵臓からインスリンが分泌され、

血糖値を正常に戻そうとします。

しかし、インスリンが効かずに

高血糖が続くのが糖尿病です。

糖尿病 インスリンnew2

ただ、血糖値が高くても、特に症状がない人が多く

知らないまま放置している事が多いです。

しかし、このまま放置する事により

血管はダメージを受け、

免疫機能は低下し、

色々な合併症が発症します。

歯周病があると、3倍以上の血糖値の悪化があり、

糖尿病患者の歯周病発症率は、健常人の1.95倍になります。

では、なぜ、歯周病と糖尿病が関係するのでしょうか?

成人の80%は、歯周病です。

その原因は歯垢です。

健康な歯肉new.004

健康な歯肉の断面図です。

歯と歯肉の境目には上皮があります。

一番深い部分は、歯根膜です。

健康な歯肉の深さ、1~2mmです。

しかし、歯垢が付着すると

歯周病菌は毒素を出して、上皮や歯根膜を破壊します。

慢性炎症により、歯周ポケット内上皮は剥離し、

潰瘍面が形成されます。

手の平 うんち.001
手の平 うんち.002
手の平 うんち.003

手の平 うんち.001

潰瘍面に露出した毛細血管から出た血液を

P.gingivalisをはじめとした歯周病菌は栄養素とし、

急激に増殖します。

そのため、バイオフィルムの病原性が一気に高まり、歯周病が進行します。

歯周ポケット ヘミン鉄.001

出血がない場合、ヘミン鉄が無く、歯周病菌の栄養が取れず

歯周病菌は増殖することができません。

しかし、歯周ポケット内に出血がある場合

歯周ポケット ヘミン鉄.002

ポケット内に出血がある場合、ヘミン鉄がある為、

歯周病菌は栄養を沢山取ることができ、

歯周病菌の増殖が起こります。

歯周病菌は、血液があると元気になり

血管の中に侵入し、全身を駆け巡ります。

そして、歯周病菌が原因で菌血症になります。

特に、P.gingivalisは歯肉上皮バリアがしっかりしていて

出血がなく、ヘミン鉄が乏しい環境では、数はわずかで、

歯周組織への障害性もあまりありません。

手や足の擦り傷(潰瘍)は、自然に治りますが

歯周ポケット内の潰瘍は自然には治りません。

では、なぜ、治らないのでしょうか?

バイオフィルムの刺激により、慢性の炎症が継続的に起きています。

その為、上皮バリアの損傷が止まらず、潰瘍面は治りません。

しかも、P.gingivalis は、上皮バリアの閉鎖を阻害しています。

歯周ポケット内の戦いnew.001

血液中に入った歯周病菌は、血管に付着し傷を付けます。

そうすると、プラークという、ヌルヌルした物質が溜まり始めます。

徐々に、血管は狭くなり、弾力性がなくなってしまいます。

これが、動脈硬化です。

そこに、血栓ができてしまいます。

その血栓が剥がれて、脳の血管に詰まると脳梗塞

心臓の血管に詰まると心筋梗塞になります。

心筋梗塞

また、歯周病菌により、リウマチや心内膜炎、早産なども起こります。

では、肥満と歯周病の関係についてですが、

脂肪細胞は、余分なエネルギーを中性脂肪として蓄えるだけでなく、

そこから分泌されるTNFαは、肝臓や筋肉に作用し

慢性炎症を引き起こします。

それにより、インスリンが効きにくくなります。

同時に、血糖値上昇、血圧上昇、不整脈、脳梗塞、交感神経興奮などにつながります。

急性炎症は1週間程度で、自然に治りますが、歯周病や内臓脂肪などの慢性炎症は

いつまでもくすぶり続けます。

この慢性炎症が生活習慣病と深い関係があることが分かっています。

さらに全身の血管を傷つけます。

糖尿病になると動脈硬化が進み、合併症が現れます。

3大合併症

・神経障害 手足のしびれ

・視力障害 失明

・腎臓障害 透析

インスリンは膵臓の小さなβ細胞から出ます。

β細胞はわずか1gしかありません。

この小さな組織で、一生の血糖値が調整されています。

糖尿病と診断された時点では、半部位ダメージを受けています。

これでは、残りの人生を、わずかなインスリンの量で過ごさなければなりません。

なので、食事制限が必要となってしまいます。

では、どうすれば良いのでしょうか?

糖尿病と診断される前に、

歯周病の治療し、アプローチする事が大切です。

 

投稿日:2016年7月22日  カテゴリー:予防歯科, 歯周病